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レビュー:小梅茶荘 雲南金毫

  • ポン太 (Ponta)
  • Jul 16, 2020
  • 3 min read

お茶について

茶銘:雲南金毫

購入元:小梅茶荘

種類:紅茶

産地:雲南省南部, 中国

シーズン:明前

品種:大葉種


5.36gを蓋碗で0分30秒抽出(98℃)


テイスティングノート

トップ:カカオ、プルーン

ミドル:墨、松脂

ラスト:沈香、貴腐ワイン


茶葉

新芽の部分だけで作られている。乾燥時のサイズは3-4cmと新芽にしては大きめで鮮やかなオレンジ色から濃い茶色の物が混ざっている。香りは、乾物のような感じや梅干しのような酸味のある香りがする。もしくは、酸味の強い柑橘類も連想させる。熟した印象と酸味のある香りは、全体として漬物のようである。プーアル塾茶を思わせる要素がある。温めた蓋碗にしばらく置いてから香りをみると、強い酸味を感じる香りが鼻に突き刺さり、古漬けを思わせる。

淹れた後は深い赤茶色になる。茶液と比べて漢方のような苦味のある香り、ドライプルーンのような香りが強い。


感想

茶液は深いオレンジ色〜茶色。茶液からは、煙っぽい苦味と甘みを感じる香りがする。とても乾いた香りがしてカカオや松脂、そしてその中にプルーンのようなフルーティな要素を感じる。口に含むと、同じく乾いた苦味のある香りがして、墨を思わせる。また松脂のスモーキーな印象もある。味わいは、渋みは強くないものの苦味がはっきりとある。鋭い苦味は香りと

併せて煙を飲んでいるような印象をうける。甘みや酸味は強くないが、旨味が強く、ミネラル感もはっきりとあるお陰で、コク、ボディ共に強い。茶液の感触は軽く、サラサラとしている。 飲み込むと引き続きスモーキーな印象があり、沈香を連想させる甘く深い香りがする。そしてそのまま味わっていると、貴腐ワインのような凝縮感のある蜜のような甘い香りを感じられる。飲み込んだ後の味わいはさっぱりしており、口内にはココアのような苦味が残るものの、渋みは強くないので乾いた感じはしない。一方で香りの持続は長く、飲み込んだ後は呼吸をするたびに、乾いた甘い香りが何度も鼻の奥から立ち上がってくる。

二煎目では、はじめに感じるスモーキーな印象は弱まり、沈香のような深い苦味と甘みを感じる乾いた香りが強まる。


三煎目では、スモーキーな印象がより引いて、後味の蜜のような香りを強く感じる。味わいの傾向は一煎目から大きくは変化せず、はっきりとした苦味と飲み応えがあり、後味はさっぱりしている。

茶葉の香りを嗅いだ時点では強く個性的な印象を受けたため、苦手かもしれないと心配したのだが、飲んでみると思いの外飲み易いお茶であった。全体を貫く要素として苦味のあるスモーキーな香りがあり、その中で、口に含んでいる間の墨を思わせる香りや、飲み込んですぐに感じる沈香のような香り、そして飲み込んでしばらくすると感じる貴腐ワインのような香りが

展開される。プーアル塾茶を思わせる薬っぽい要素をもつので飲む人を選ぶかもしれないが、香りに一貫性と展開があり、味わいは端正でまた飲みたいと思わせる良いお茶だった。

IG: grandguignol

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